研究課題
本研究では、不正咬合発症マウス(BALB/c-bm/bmマウス)を用いて、幼少期から咬合の不調和をもつ動物がどのように成長し、成長後のストレス反応や行動に関与する中枢神経系の機能を神経内分泌学的及び分子生物学的手法により調べ、そのメカニズムを考察する。平成22年度は不正咬合発症マウス群と対照群について以下の実験を行った。実験 「幼少期からの咬合の不調和が成長に与える影響」(1)不正咬合発症マウス群と対照群に対し、3か月間にわたり、体重、摂食量を測定した。(2)上記2群に対して血漿中の成長ホルモン量及びinsuline-like growth factor I(IGF-I)をRIAにより測定した。(3)幼少期の咬合の不調和が成長(体重変化)、摂食量、成長に関与する調節因子にどのように影響しているか、2群間で比較検討する。実験結果(1)不正咬合発症マウス群は対照群に比較して出生約3か月後まで有意に体重、摂食量が少なかったが、出生約3か月後以降は両群に有意な差は見られなくなった。(2)不正咬合発症マウス群は対照群に比較して出生約2か月後までに有意に成長ホルモン量及びIGF-Iが少なかったが、出生約2か月後以降は両群に有意な差は見られなくなった。(3)不正咬合発症マウス群は出生後しばらくの間、成長ホルモン量及びIGF-I分泌量が少なく、また不正咬合のため、体重、摂食量が少ないことが示唆された。
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The Journal of Craniomandibular Practice
巻: (印刷中,印刷中)
Angle orthodontist
巻: Sep ; 80(5) ページ: 975-980