研究課題/領域番号 |
22592281
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齋藤 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90205633)
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研究分担者 |
渡邉 直子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10397143)
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キーワード | 顎変形症 / 偏位咬合 / 三次元有限要素解析 / 骨リモデリング |
研究概要 |
本研究の目的は、顎変形症(偏位咬合)患者の成長期における偏位増悪の有無を明らかにすることである。すなわち、偏位咬合を上下顎骨の形態、位置関係からパターン分けし、各パターンにおいて習慣性咀嚼という負荷により上下顎骨の偏位状態が増悪するか否かを、骨リモデリングをシミュレーションすることにより明らかにしようとするものである。 具体的な本年度の研究実施計画平成24年度まで続けて、平成22年度に選択した被験者の画像データを用いて以下の解析を行うことである。 (1)偏位咬合パターンにおける骨リモデリングシミュレーションを行う。 (2)偏位咬合パターンにおける習慣性咀嚼(メカニカルストレス)の影響を考察する。 平成23年度は、パターン分けした上下顎骨3次元画像に患者固有の咀嚼運動から得られた咬合力のベクトルを付与した3次元有限要素解析を行った。その結果、今までに下顎骨において明らかにしてきた応力の分布と顎骨偏位との相関が、上顎骨の顎骨偏位においても明らかとなった。この結果より、咀嚼という習慣性の負荷が顎骨形態に影響を及ぼしているということが明らかとなった。この研究結果は平成24年の日本矯正歯科学会大会にて発表予定である。今後は、さらに骨リモデリングのシミュレーションを継続して行い、偏位増悪の過程を明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度に行う予定であった上下顎骨それぞれにおける習慣性咀嚼による負荷と偏位パターンとの相関について明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、咀嚼による負荷と上下顎骨の偏位について解析を進める。特にこれからはリモデリングシミュレーションを主に行う予定である。偏位した顎骨のシミュレーションには、顎骨左右鏡面体を作成し用いている。本研究の対象となる顎骨は左右非対称であるため、鏡面体作成の分割面の位置決めが非常に難しい。鏡面体に対しても有限要素解析を行い、その結果と、オリジナルの3次元画像に対する有限要素解析の結果を照らし合わせることで、分割面の決定をすることにしている。
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