研究課題/領域番号 |
22592283
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲垣 暁子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50527223)
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研究分担者 |
仲野 道代(松本道代) 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30359848)
大嶋 隆 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招聘教員 (80116003)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | Streptococcus mutans / Recombinase A / バイオフィルム / Glucosyltransferase / クオラムセンシング / リコンビネーション / 耐酸性 / 臨床分離株 |
研究概要 |
齲蝕の主要病原細菌である Streptococcus mutans は、口腔内バイオフィルム形成に重要な菌であり、表層に存在するグルカン合成酵素(Glucosyltransferase ; GTF)から粘着性グルカンを合成することでその能力を発揮する。一方、リコンビナーゼA (Recombinase A: RecA) は、遺伝子のリコンビネーションをおこすタンパクとして報告されており、S. mutansにおいては、耐酸性やバイオフィルム形成に重要とされる細胞間シグナル伝達システム(クオラムセンシング)に関与する遺伝子の一つである可能性が示唆されている。本研究では、バイオフィルム形成に最も重要とされる gtf 遺伝子の発現と RecA との関連について、特に口腔内の pH が低下し、RecAが過剰発現した際の GTF の発現に与える影響について検討を進めた。本研究では、RecAタンパクが、過剰発現する条件下では、gtf 遺伝子の発現がどのように変化するかを検討した。その結果、RecAタンパクが過剰発現した場合、gtfB、C 遺伝子のリコンビネーションが起こることが明らかとなった。さらにリコンビネーションの結果として、GTFの活性が低下することによりコロニー形態が変化することがわかった。そこで、実際の臨床分離株でコロニー形態に変化があった株と比較し、実際にリコンビネーションが起こっているアミノ酸領域を決定した。その結果、これらすべての株においてgtfB 遺伝子の後半およびgtfC 遺伝子の前半部分においてリコンビネーションが行われていることが明らかとなった。この研究の成果は、RecAタンパクの発現がS. mutans のバイオフィルム形成に大きく関与していることが示され、今後のバイオフィルム形成におけるシグナル伝達システムの解明に寄与すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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