研究課題/領域番号 |
22592291
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
早崎 治明 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60238095)
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研究分担者 |
山崎 要一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30200645)
齋藤 一誠 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (90404540)
岩崎 智憲 鹿児島大学, 附属病院, 講師 (10264433)
長谷川 大子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (00295271)
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キーワード | 小児 / 咬合 / 捕食 / 歯列 / 動作解析 |
研究概要 |
複雑な顎口腔機能において「形態と機能」または「機能と機能」の相互関係を解明することは、検査・診断方法の開発に有用な情報が提供できると考えられる。捕食は食物を口腔内に取り込むまでの動作でありその後に咀嚼が行われる。すなわち捕食は咀嚼の前駆動作であり、両者には密接な関係がある可能性が高い。一方、咀嚼運動は咬合状態により特徴的に変化する。このように考えると「捕食動作⇔咀嚼運動⇔咬合状態」の可能性がある。そこで本研究は、この3者の関係を明らかにすることを目的とした。 1.捕食動作の計測:十分な精度があることが確認された。 2.プログラム開発:(1)任意点の三次元運動解析、(2)サイクリック運動解析、(3)反作用解析を行った。 3.捕食運動・咀嚼運動計測:捕食運動に成人については追加の計測を行った。 4.摂食時の食片の大きさによる開口および開口時の頭部運動の解析 4については、開口時に、開口量、頭頸部の回転および体躯の前方移動および前方への傾斜が認められるとともに、食片が大きくなると、これらの計測項目が有意に増加することが観察された。頭部および体躯のこれらの変化は、開口時における下顎の開口を助ける働きがあるとともに、一方で頭部自体を支える働きをすることも観察された。 これらのことから、捕食動作が頭部および顎顔面形態に影響することが推察できた。今後、小児における計測ならびに口腔内の形態計測項目との関連についての解析も並行して行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究立案時には、鹿児島大学に在籍していたが、その後、現職である新潟大学に赴任したため、当時現有設備であった計測機器が常時しようできる状態ではなくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
転任したため、捕食(摂食)動作解析を現有設備でできないことが、研究遂行、特に小児における計測(平日診療時間内に計測が限定されるため)に支障を来していることは明らかであり、その解結には限界がある。しかし、成人(鹿児島大学に赴き休日計測)においては、捕食動作が顎口腔の形態に影響を及ぼす可能性が示唆されており、今後もこの視点からのアプローチを継続して行うものとする。
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