研究課題/領域番号 |
22592300
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
福井 只美 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10267544)
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研究分担者 |
中村 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10097321)
山根 明 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20166763)
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キーワード | iPS細胞 / 舌 / 再生 / 器官培養法 / マウス / 胚葉体 / マトリゲル / 分化誘導法 |
研究概要 |
本年度は、iPS細胞と舌器官培養法を用いて舌筋再生の可能性を検討した。理研より供与をうけたマウスiPS細胞をフィーダー細胞上に播種し、iPS細胞がコンフルエントになった後、トリプシン処理によりiPS細胞をディッシュから分離し、低付着性96穴ディッシュに再播種し胚葉体を形成させた。そして、形成された胚葉体をコーティング材料で処理した培養ディッシュに移動し、筋細胞へ分化を誘導することを試みた。この分化誘導を行ったiPS細胞をディッシュより分離し、マウス舌に移植し、器官培養をおこなった。この時、前もって舌の中央付近を切除しておき、その切除部位にiPS細胞を移植した。iPS細胞から筋細胞への分化誘導を試みている間のディッシュのコーティング材料、培養液の組成、舌の器官培養を開始するマウス胎仔の胎齢、iPS細胞を移植後の舌器宮培養の期間について検討した。iPS細胞から舌筋細胞への分化の評価は、iPS細胞を移植した器官培養舌の凍結切片を作成し、舌筋細胞の分化マーカーである速筋型ミオシン抗体による蛍光免疫染色法を用いた。現在まで得られている最良の条件は、iPS細胞から舌筋細胞への分化を誘導するための培養液は5%ウマ血清含有Iscove's Modified Dulbecco's Medium、シャーレのコーティング材料はゼラチン及びマトリゲル、iPS細胞を移植するマウス舌器官培養の開始の時期は胎齢14日、iPS細胞移植後の舌器官培養の期間は5日~10日間である。今後は、DesRed標識iPS細胞を器官培養している舌に移植し、iPS細胞が舌筋細胞に分化していることを確認する、フローサイトメトリーを用いて筋細胞に分化誘導されたiPS細胞のみを移植に用いる、免疫不全マウスの舌にiPS細胞を移植しin vivoで舌筋組織再生の可能性を検討するための実験などを行う予定である。
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