研究課題/領域番号 |
22592302
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40200018)
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研究分担者 |
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
下田 信治 鶴見大学, 歯学部, 教授 (30139620)
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キーワード | Zip13 / 歯根膜 / 象牙質 / 歯根形成 / TEM / レーザーマイクロダイセクション / コラーゲン / マイクロアレイ |
研究概要 |
Zip13をノックアウトしたマウス(以下KOマウスとする)では成長遅延をはじめ、骨格形成異常、コラーゲンの形態異常を伴う皮膚の脆弱化、歯および歯周組織の形態異常など結合組織の進行性の形態異常を発症する。前回までの研究で、歯ならびには周組織についてのZip13の影響を検討したところ、Zip13は上皮間葉相互作用の影響を受ける組織以外には大きな影響を及ぼさないことがわかった。6週齢野生型のZip13マウス(以下WTマウスとする)の歯根とKOマウスの歯根を比べると、6週齢のKOマウスの歯根は著しく細かったが、12週齢になるとKOマウスの歯根は太くなり、WTマウスに追いつき差は見られなくなった。12週齢のWTマウスとKOマウスを比較すると、歯と歯周組織の形態の量的な変化は見られないが、質的な変化が多くみられた。今回、透過型電子顕微鏡(以下TEMとする)を用いて、歯根膜のコラーゲン線維の直径ならびに面積比を調べた。7週齢と12週齢のWTマウスとKOマウスのコラーゲンの直径に有意差は見られなかった。コラーゲンの面積比は7週齢のWTマウスで有意に高かったが12週齢になるとKOマウスで面積比が高くなり、差はみられなくなった。次に、6週齢と12週齢のWTマウスとKOマウスで下顎第一臼歯を含む凍結薄切切片を作成した。歯根部の象牙芽細胞と歯髄を含む領域でレーザーマイクロダイセクション(以下LMDとする)を行った。その採取した試料からトータルRNAを抽出した。微量のRNAしか採取できないため、サンプルクオリティチェックを行い、Agilent社製SuperPrint G3 Mouse GE Microarrayを用いてマイクロアレイ実験を行った。その結果を現在分析しているところであるが、WTマウスとKOマウスの間で6週齢から12週齢にかけて最も変動のあったものはFgf9であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
この実験系は非常に微量のRNAを扱うため非常に難しいが、23年度中にLMDを行い、トータルRNAを抽出しマイクロアレイをかけることができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在TEMによりKOマウスとWTマウスの線維芽細胞の形態、コラーゲン線維の形態などを確認しているところである。また、マイクロアレイ実験から得た、象牙質の修復に関与する遺伝子を用いて免疫染色等を行いマイクロアレイの結果を確認したいと考えている。そのあとにZip13KOマウスにZip13遺伝子を導入して幼若な歯根膜が成熟した歯根膜に修復できるかを確認したいと考えている。
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