研究課題
本年度はDDMとBMPを複合化することに加え、骨吸収抑制薬剤であるビスフォスフォネートやリベロマイシンAなども新生骨形成に有効と考えられるため、BMPと複合化するためのDDMの至適粒子径の検索とともに骨吸収抑制剤を加えた場合の影響を検討した。本年度の実験として、このDDM(脱灰歯牙基質)がBMPとの複合化材料として有効かどうかを検討するために、ウサギ膝関節部に直径5ミリ、深さ6.5mmの欠損を作製し、DDMを填塞して、その修復能を検討した。その結果、DDMは術後6週、9週において、早期に骨性治癒が認められ、骨欠損部の欠損骨の補填材としてきわめて有効であると示唆された。また、骨吸収抑制剤としてのリベロマイシンAの可能性について検討した。検討項目としては、リベロマイシンAが骨代謝にどの程度影響するかについて検討した。具体的には、骨粗鬆症状態を想定し、OPG KOモデルマウスの上顎の第一大臼歯の移動量と骨吸収状態を指標として実験を行った。実験方法として、Ni-Tiクローズドコイルスプリングを14日間用いて行った。その際、リベロマイシンAを1日2回腹腔内投与した群と生理食塩水を投与した群の2群を用いて行った。評価方法はマイクロCT、HE染色、軟X線写真、血清アルカリフォスファターゼ活性を用い、骨形成能力と骨修復機転を評価した。その結果、リベロマイシンAはマウスの歯槽骨において、歯槽骨吸収を抑制し、破骨細胞数の抑制を行い、生理食塩水投与群と比較して骨抑制を行った。本結果は、Journal of Dental Reseachに掲載された。このことより、生体内吸収性メッシュ状オンプラントの骨形成促進剤としてリベロマイシンAがきわめて有効であることが示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Dental Research
巻: 91(8) ページ: 771-776
10.1177/0022034512451026