研究課題
骨シアロタンパク質(Bone Sialoprotein; BSP)は、石灰化結合組織特異的に発現し、初期の石灰化に関与するタンパク質である。プロタミンは、アルギニンを多く含む低分子量のタンパク質であり、精子形成の半数体細胞後期にヒストンと置換し、精子頭部の濃縮とDNAの安定化に関与する。さらに、造血、免疫反応、神経系および骨代謝に関与する。プロタミン(71.35 ng/ml)は、ROS17/2.8骨芽細胞様細胞のBSPmRNA量を6時間後に上昇させ、同細胞に導入したラットBSP遺伝子プロモーターコンストラクト(-116 to +60)のルシフェラーゼ活性を増加させた。ルシフェラーゼ活性の増加は、プロテインキナーゼA、チロシンキナーゼおよびERK1/2阻害剤の作用で抑制された。2塩基対の変異を導入したルシフェラーゼアッセイの結果、プロタミンの効果は、BSP遺伝子プロモーター中のCRE、FREおよびHOX結合配列を介していると考えられた。ゲルシフトアッセイの結果、プロタミン(71.35 ng/ml)は、CRE、FREおよびHOX配列へのROS17/2.8細胞核内タンパク質の結合量を増加させた。CRE結合タンパク質(CREB)、リン酸化CREB、c-Fos、c-Jun、JunDおよびFra2抗体は、CRE応答配列への転写因子の結合を阻害した。Dlx5、Msx2、Runx2およびSmad1抗体は、FRE応答配列とHOX応答配列への転写因子の結合を阻害した。以上の結果から、プロタミンはラットBSP遺伝子プロモーターに存在するCRE、FREおよびHOX結合配列を介してBSPの転写を促進すること、さらに、転写因子であるリン酸化CREB、c-Fos、c-Jun、JunD、Fra2、Dlx5、Msx2、Runx2およびSmadlは、プロタミンによるBSPの転写の調節に重要であると考えられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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