研究課題/領域番号 |
22592323
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
堂前 尚親 大阪歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (60115889)
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研究分担者 |
上田 雅俊 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (00067117)
神原 正樹 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90103085)
長野 豊 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80228048)
宮前 雅見 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20298821)
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (40200141)
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キーワード | 歯周病 / 動脈硬化 / 虚血性心疾患 / 11β-HSD1 |
研究概要 |
歯周病は糖尿病の合併症の1つとして、また動脈硬化の危険因子として、全身疾患と密接に関連することが明らかにされてきた。成人における歯周病の罹患率は著しく高く、その予防や早期発見が重要であることは、言うまでもない。本年度は健康人を対象として、歯周状態を反映するバイオマーカーを同定することを目的とした研究を行い、以下のような成果を得た。 同意の得られた40歳から67歳までの男性151名を対象に、健診での問診ならびに測定項目、一般生化学検査、歯周状態の診査データを解析した。このほか、アディポサイトカインのひとつで、肥満や動脈硬化との関連が指摘されているアディポネクチンの血中濃度を総量とともにその分画(高分子量、中分子量および低分子量分画)について測定した。 対象者を4mm以上の歯周ポケットがある群(P(+),n=62)とそれ以外の群(P(-),n=89)に分けて比較検討したところ、P(+)群では有意に年齢が高いほか、HDLコレステロール値が低く、CRP値が高い傾向がみられた。また50歳以上の対象者で検討すると、P(+)群に有意に喫煙者が多かった。アディポネクチンの活性の中心を担う高分子量分画の総アディポネクチンに対する比を比較すると、P(+)群で有意に比が低かった。 これらの因子を含め、両群で差がみられた因子について多変量解析を行ったところ、加齢、喫煙、高分子量アディポネクチン/総アディポネクチン比の3つの因子が、歯周状態と独立して関連する因子であることを明らかにした。 次のステップとして、治療中の歯周病患者を対象とした経時的な検討を行い、歯周状態の変化を表すバイオマーカーを同定すべく研究を進める予定である。
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