研究概要 |
幼若ブタの歯胚から抽出されたエムドゲインRは臨床応用されているが,生物由来のため患者からの拒否感も強く,生物に由来しない合成ペプチドの開発が望まれる。本研究では,新規合成ペプチドの至適濃度を策定し硬組織誘導能を明らかにすることである。合成ペプチドの各細胞に対する影響は,細胞増殖,接着および遊走について検討し至適条件を策定した。その合成ペプチドを歯根膜細胞,骨髄細胞に応用し,ALP活性,オステオカルシンの産生量,カルシウムの析出量などの硬組織誘導能について検討した。実験の結果,合成ペプチドに対する各細胞の細胞増殖,接着および遊走は濃度依存的に比例しているのではなく,至適濃度が存在し,歯根膜細胞,骨髄細胞に応用すると硬組織への誘導を促進するものと示唆された。
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