研究概要 |
平成23年度は、mechanical stress付与により、オキシタラン線維上の複合体(LTBP-2・fibulin-5)の至適量の同定と、細胞と線維との関係を生化学的に解析した。歯根膜由来線維芽細胞を細胞伸展装置(ST-1400、ストレックス社)にて1/10Hz(6cycles/min)の伸展刺激を付与した。Fibrillin-1,LTBP-2,Fibulin-5の三重免疫沈降法によりFibrillin-1陽性のオキシタラン線維上にLTBP-2、fibulin-5の一部が共存していた。免疫沈降法によりFibulin-5とLTBP-2の結合を確認し、細胞伸展刺激により結合しているfibulin-5中のLTBP-2の量が約80%減少していることを生化学的に明らかにした。細胞伸展刺激によりFibrillin-1陽性のオキシタラン線維が方向性を持って凝集し、オキシタラン線維上のLTBP-2の染色性が減少することが明らかとなった。その際の減少したLTBP-2の量を定量した結果、細胞分画と呼応して約80%の減少を認めた。siRNAによりLTBP-2の発現を90%以上抑制するとオキシタラン線維の凝集は完全に抑制されたため、線維の凝集には必要最小限なLTBP-2が必要であることが確認できたため、平成24年度にはLTBP-2の抑制率を段階的に変化させ、至適なLTBP-2の量を免疫組織化学を用いて同定し、論文発表する予定である。
|