研究方法:2010年に地域の健康高齢者を対象とした質問紙調査を行った。主観的健康感(良い・悪い)および残存歯(20本以上、19本以下)を目的変数、教育年数(社会経済状態)、年齢を説明変数として性別で層化したロジスティック回帰分析を行った。 結果:男性2024人、女性2378人から回答を得た。年齢を調整したうえでも、学校教育年数が13年以上の者に比べて短い者で主観的健康感が悪いオッズが高い傾向にあった(男性:教育年数6年未満;OR=2.2(p=0.102)、6-9年;OR=1.5(p=0.015)、10-12年;OR=1.7(p=0.001)。女性:教育年数6年未滴;OR=1.3(p=0.517)、6-9年;OR=1.5(p=0.029)、10-12年;OR=1.1(p=0.480)。)。残存歯数においても同様に、年齢を調整したうえで、学校教育年数が13年以上の者に比べて短い者で残存歯数が少ないオッズが高い傾向にあった(男性:教育年数6年未満;OR=3.9(p=0.005)、6-9年;OR=1.8(p<0.001)、10-12年;OR=1.4(p=0.012)。女性:教育年数6年未満;OR=3.3(p=0.002)、6-9年;OR=1.6(p=0.001)、10-12年;OR=1.2(p=0.114)。)。 結論:高齢者の主観的健康感、残存歯数に、教育年数が低いほど健康状態が悪いという格差が語められた。特に残存歯数においてその傾向は顕著であった。
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