研究課題/領域番号 |
22592328
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
下山 和弘 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (30171010)
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キーワード | 口腔機能 / 口唇運動 / 機能訓練 / オーラルディアドコキネシス |
研究概要 |
口腔機能の向上は栄養改善・運動器の機能向上につながるため、介護予防では口腔機能の向上が重要視されている。介護予防プログラムの実施に際して、アセスメント、プラン作成、プラン実施、アセスメントという一連の流れが大切であるが、口腔機能の向上プログラムの実施においても口腔機能の向上プログラム前後の機能評価が求められている。そこで、介護予防の対象となる高齢者と青年を対象に口腔機能訓練プログラムを実施し、口唇運動測定装置を用いて、機能訓練プログラム実施前後に口腔周囲の運動評価を行った。またその結果から口腔機能の評価に関する問題点についても検討を加えている。 高齢者と青年を対象として口腔機能訓練プログラムを実施し、オーラルディアドコキネシスの観点から経時的に評価を行ったところ、現時点では以下のような傾向がみられた。健康な高齢者と青年を比較すると、発音回数に大きな差はないと思われる。「パ」の発音では同一被験者において回数のばらつきが大きいが、「パタカ」の発音は比較的ばらつきが少なかった。「パタカ」の発音回数においては、健康で自立した生活を送っている高齢者は生活に支援が必要な高齢者よりも発音回数が多い傾向が認められた。「パ」の発音よりも「パタカ」の発音は難しいため、介護予防の対象となる健康な高齢者から要支援程度の高齢者を対象として口腔機能の比較を行う場合には、「パタカ」の発音が適していると思われる。「パ」の発音においても「パタカ」の発音においても、口腔機能訓練プログラム実施後には発音回数が増加する者、変化がない者、低下する者がみられた。口腔機能訓練プログラムに熱心に取り組んだ者において、口腔機能訓練プログラム実施後の発音回数が増加する傾向があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究に被験者として協力いただける高齢者は健康な人が多く、順調に進んでいる。要支援と判定されている高齢者に協力が得られるように努力したい。
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今後の研究の推進方策 |
研究の目的・趣旨に理解をえて被験者数を増加させていく。口腔機能訓練プログラムを熱心に行わない対象者がいるので、プログラム開始前および実施中に指導をしっかりと行う必要があると考える。
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