う蝕未経験群のプラーク中のGemella属の分布割合はう蝕経験多発群に比べて高い傾向が認められた。また、Gemella 属の菌種の分布割合はう蝕未経験群のプラークでは形成課程を通じてG. haemolysansが高い割合を占めたのに対し、う蝕多発群では形成初期はう蝕未経験群と同様にほとんどG. haemolysans であったが、後期ののプラークではG. haemolysansのみではなく、G. morbillorumとG. sanguinisが高い比率で検出された。以上の結果から、プラーク中のGemella属の分布割合ならびに菌種が両群で異なっていることが明らかとなり、Gemella属の菌種がう蝕抑制的な影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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