研究課題/領域番号 |
22592338
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
林田 秀明 長崎大学, 大学病院, 講師 (20238140)
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研究分担者 |
齋藤 俊行 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10170515)
古堅 麗子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90253674)
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キーワード | 歯周病原細菌 / 血管内皮細胞 / NOS |
研究概要 |
心血管疾患やその発症のリスクとなるメタボリックシンドロームと口腔の関係についてさまざまな知見が得られており、歯周局所における細菌感染および炎症が全身疾患の発症、進行に関わることが示唆されている。心血管疾患の初期段階には血管内皮機能障害が関与するが、近年、Rhoキナーゼ経路の血管内皮機能障害での役割が注目されている。これまでに、(1)歯周病原細菌がRhoキナーゼ経路を介して血管内皮機能障害を惹起するか、(2)Rhoキナーゼ阻害薬の効果に変化をもたらすかについてin vitroモデルを用いて検討した。ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)において歯周病原細菌の病原因子のひとつであるPgのLPSがiNOSを誘導し、産生されたNOが内皮細胞層の連続性を低下させることが報告されている。また、臨床研究では、心血管障害の患者において歯周病がNOの生理活性の低下による血管内皮機能障害のリスクファクターであることが報告されている。 歯周病原細菌由来のLPSおよび菌体の暴露が、血管内皮細胞でRhoキナーゼ活性の変化、Rhoキナーゼアイソフォーム間の活性の差異、下流の遺伝子発現、たとえば、トロンビンによって誘導されるICAM-1やNO産生に重要なeNOSおよびiNOS発現について検討した。 歯周病原細菌Porphyromnas gingivalisおよびAggregatibacter actinomycetemcomitans菌体およびそのLPSによる刺激でHUVECおよび大動脈内皮細胞(HAEC)では無刺激の内皮細胞と比較してeNOSおよびiNOSは転写レベルおよび翻訳レベルでの発現が促進される傾向がみられた。 これらの内皮細胞をF-actinを免疫染色し、細胞間ギャップ形成や膜ラッフル形成状態を観察したところ、P.gingivalis LPS刺激で形成促進される傾向が観察された。 また、菌体およびLPS刺激の有無によりHUVECおよびHAECのeNOSおよびiNOSのリン酸化に違いがあり、それらの分子の関与が示唆されたため、eNOSおよびiNOSの発現をRhoキナーゼインヒビターおよびRNAiにより抑制した場合の分子動態や形態変化に差がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度計画のRhoキナーゼによる阻害実験およびRNAiによるノックダウン実験の実施が終了したので順調に推移していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果を踏まえて、グルコース存在下および酸化LDL存在下といった非生理的状態の血管内皮細胞におけるRhoキナーゼ経路および阻害剤の効果についての歯周病原細菌の影響とRhoキナーゼ阻害剤の歯周病原細菌の内皮侵入性に対する影響について検討する予定である。
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