研究課題/領域番号 |
22592342
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
木尾 哲朗 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10205437)
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キーワード | 歯学教育 / 学士課程 / プロフェッショナリズム / 歯科医学 |
研究概要 |
プロフェッショナリズムは、2007年にダブリンで開催されたGlobal Congress on Dental Education(欧州歯科学教育学会誌に2008年掲載)において議論され、その後欧州圏や米国圏における歯学教育のコンピテンスのDomain(大項目)としてあげられている。しかしながら日本の歯学教育では「プロフェッショナリズム」についての議論はほとんどされていない。本研究の目的はグローバルスタンダードとしてのプロフェッショナリズムを明らかにし、国内歯学部での教育カリキュラムにどのような形で存在するかを調査し、その普及を目的としたシンポジウムを開催することにある。 その結果、プロフェッショナリズム教育を単独科目として扱う歯学部はほとんど無く、他の科目と関連して教えている歯学部が多いことがかった。 日本医学教育学会倫理・プロフェッショナリズム委員会が出した提言「医師養成課程におけるプロフェッショナリズム教育の導入と具体化」(平成22年)では、プロフェッショナリズム教育の円滑な運営には、(1)組織の積極的な支持を得て教育に関する情報を共有し、(2)教員の意識改革を図るために講習会を企画する必要がある、と提言している。そこで、また、プロフェッショナリズムの普及を目的として、当初は研究2~3年目に計画していたシンポジウム前倒しして平成23年5月に実施した。シンポジウムには国内医学領域においてプロフェッショナリズム教育に造詣の深い3氏を特別講師として招聘し、事例報告6例を加えて実施した。参加総数は約150名であった。その中で継続的な実施の必要性をあげる意見が多かったことから、平成24年度も継続開催する予定である。これにより、本研究の目的の一つでもあるプロフェッショナリズム教育担当者(医学教育を含む)との意見交換の場を作り、日本の歯学教育に必要なプロフェッショナリズム教育のカリキュラムを作成の素地を作る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
各大学歯学部のシラバスの情報収集段階で、プロフェッショナリズム教育に関する定義が不明瞭であることが分かった。そこで、島嶼3年目に行う予定であったシンポジウムを1年繰り上げて実施することで、歯学教育者や歯学研究者の共通認識を醸成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は研究期間の最終年度であるため、これまで調査した結果をもとにプロフェッショナリズム教育の第2回シンポジウムを実施する。また、今後の歯学教育におけるプロフェッショナリズム教育を継続的に議論する場を作る。 課題としては、プロフェッショナリズム教育自体が歯科医療人のプロフェッショナリズムと密接に関係するため、生涯学習におけるプロフェッショナリズムとの連携を以下に行うかが必要となる。
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