研究概要 |
本研究では,舌の機能訓練を行う際の客観的な指標を得ることを目的として,自由嚥下時及び指示嚥下時の舌圧地図と超音波矢状断面像より得られた舌運動とを同一画面上で同期させることにより,嚥下口腔期の舌運動動態について解析を行った。対象は、若年成人男性8名で、7か所に圧センサを埋入した口蓋床を装着した状態で,指示嚥下と自由嚥下の条件下で3mlの水を嚥下する際の舌圧を測定すると同時に舌のUS矢状断面像を描出し,舌圧波形とUS描出像をPC画面上で同期させて録画した。正中前方部は自由嚥下,指示嚥下ともに陽圧開始時間が有意に早く,自由嚥下で舌圧積分値が有意に大きかった。最大舌圧到達時間,舌口蓋接触総時間は指示嚥下の方が有意に短かった。本研究では,嚥下時の舌や舌骨の運動と舌圧との経時的な関係を観察することができた。
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