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2011 年度 実績報告書

高齢者に対する歯科リハビリテーションの有効性

研究課題

研究課題/領域番号 22592346
研究機関日本大学

研究代表者

伊藤 孝訓  日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50176343)

研究分担者 青木 伸一郎  日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60312047)
キーワードリハビリテーション / 脳機能 / 事象関連電位 / 眼球運動 / 脳波 / 補綴治療
研究概要

患者の咀嚼機能が改善することにより、社会生活に変化がおこることを経験することがある。これは、歯科治療が単に咀嚼機能の回復のみならず高次脳機能へ影響を及ぼすことを示唆しており、歯科治療にリハビリテーションの効果があることを示している。そこで、歯科特有の咀嚼機能の回復が脳の高次機能に対してどのような影響を及ぼすかについて検討するため、高齢者に対して補綴学的な介入を行い、その治療効果が高齢者の行動特徴である「行動の遅延」や外的な課題刺激に対する「注意」「評価」「意思決定」においてどのような変化が生じるかについて、これまでのADL指標以外にもさらに客観的な脳の事象関連電位(ERP)等を測定し検討を行っている。平成23年度は、平成22年度に構築したERP記録解析システムを使用して、治療予定の被験者に対して義歯作成直後および安定後1ヶ月に測定を行った。被験者は、日本大学松戸歯学部付属病院に来院している患者であり、医療面接により脳に気質的疾患を有していないこと、また実験に支障がない程度の視力を有しているものとし、現在の口腔状態は、疼痛を有する歯や進行した歯周疾患がないものとした。また義歯の不具合による変化を防止するため義歯を装着した患者のうち、歯科QOL検査であるGOHAIで義歯に支障を感じていないもの、また精神的なストレス指標である唾液アミラーゼ活性値が作成直後に比べ安定後1ヶ月のほうが軽減しているものを対象とした。脳波測定は視覚刺激による事象関連電位を測定した。測定の結果、脳の情報処理容量を反映するP300振幅が安定後1ヶ月のほうが上昇傾向であることから情報処理能力や認知機能の向上が認められた。しかし、被験者数が少ないことから義歯形態による違いなど詳細な検討ができなかったため、次年度は被験者数を増やし引き続き検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

課題遂行にあたり、患者の欠損状態から被験者を選定していったが、必要な欠損状態の被験者が少ないため被験者選定に時間がかかったことや患者の予定などから義歯作製に時間がかかってしまったこともあり、当初予定していた被験者数よりも検討できた人数が少なく検討が不充分であった。

今後の研究の推進方策

当初の予定通りに研究を遂行していく予定である。その際、前年度に被験者の選定において時間がかかってしまったことから、患者とのラポールの形成やインフォームド・コンセントが得られた患者を優先して実験の被験者に採用していくようにし、同時に足らない症例についても引き続き被験者を採用していく予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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