研究課題
これまでに、セルロース添加加工米は、対照米と比べて、咀嚼回数を上昇させること、摂食量を減少させること、咀嚼物の粘性が高くなること、食後血糖上昇が穏やかになることを明らかにしてきた。また、食品摂取と脳賦活化部位の関係の一端もfMRIを用いて明らかにしつつある。本年度は、セルロース添加加工米の咀嚼物の粘性と満腹感の関係を明らかにするために、咀嚼物専用の粘性測定装置の開発を行った。咀嚼物専用の粘性測定装置は、生コンクリート用の粘性測定器を基に開発した。なお、粘性とは「流れに対する抵抗」と定義され、粘性が高いとは流動性が低いことを示している。咀嚼物専用の粘性測定装置の妥当性を、粘性と咀嚼回数との相関や、粘性と唾液分泌量との関係、高齢者と若年層の粘性の違いなどから明らかにした。唾液分泌量は食品の塩分濃度によって調節した。その結果、咀嚼物の粘性は、咀嚼回数と正の相関が認められ(r=0.9,p<0.01)、唾液分泌量との間には負の相関が認められた(r=0.8,p<0.01)。高齢者(85歳)は若年者(27歳)よりも咀嚼物の粘性が高いことも示された。理論的には、粒子が細かい方が咀嚼物の粘性が低下し、唾液量が多い方が咀嚼物の粘性が低下するはずである。理論的に矛盾がないことから、咀嚼物専用の粘性測定装置を用いて咀嚼物の粘性を評価することが可能になったと判断した。今後は、咀嚼物の粘性と満腹感の関係を中心に、セルロース添加加工米の機能性を評価する予定である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)
日本食生活学会誌
巻: 23 ページ: 174-177
The Open Nutraceuticals Journal
巻: 6 ページ: 6-17
Brain and Cognition
巻: in press ページ: in press
Journal of Socialomics
巻: 2 ページ: -
10.4172/2167
American Medical Journal
巻: 3(1) ページ: 14-26
巻: 3(2) ページ: 183-193
J Socialomics
巻: 1(3)
10.4172/2167-0358.1
dx.doi.org
巻: 5 ページ: 113-123