研究概要 |
平成25年度は、臨地実習指導者が直面する問題を網羅するカテゴリシステムを開発するとともに、カテゴリシステムを用いて教育ニード・学習ニードとの関連を解明した。また、これらの結果を統合し、実習指導者のキャリア発達を促す看護継続教育支援システムを開発した。 1.臨地実習指導者が直面する問題を網羅するカテゴリシステムの開発:実習指導者が直面する問題を問う自由回答式質問に回答した542名の記述をBerelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いて分析した。542名の記述は798記録単位、542文脈単位に分割できた。このうち、実習指導者自身の問題として明確に記述された374記録単位を意味内容の類似性に基づき分類した。その結果、実習指導者が指導上直面する問題を表す35カテゴリ、すなわち実習指導者が学生を指導する際に直面する問題35種類が明らかになった。35種類の問題のうち、最も多くの実習指導者が直面する問題は、<学生の個別状況に応じた指導>であり、続いて、<教授技術の効果的な活用方法>、<業務との並行による指導時間の確保>、<教員と話し合う機会の確保と統一した方針に基づく指導>などであった。 2.研究成果の統合による看護継続教育支援システム(臨地実習指導者用)の開発:実習指導者が直面する問題の種類と教育ニード・学習ニードの関連を統計学的に解明し、これらの結果を反映した教育プログラム事例の提示とプログラム立案方法の文章化を行い、それらをシステムとして統合した。 3.研究成果の公表:平成24年度に開発した2種類の尺度「教育ニードアセスメントツール―実習指導者用―」および「学習ニードアセスメントツール―実習指導者用―」を看護学系学会に発表した。
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