研究課題/領域番号 |
22592365
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
月田 佳寿美 福井大学, 医学部, 准教授 (50303368)
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研究分担者 |
清水 誉子 福井大学, 医学部, 助教 (00554552)
繁田 里美 福井大学, 医学部, 准教授 (20446165)
酒井 明子 福井大学, 医学部, 教授 (30303366)
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研究期間 (年度) |
2010-10-20 – 2014-03-31
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キーワード | ケアリング / 臨床実習 / 看護教育 / 相互作用 / カリキュラム |
研究概要 |
平成24年度は,教員が実習の中でおこなっている学生に対するケアリングを明らかにする目的で,看護系大学に勤務する教員8名と,同じく看護系大学に在籍しており臨床実習の経験がある学生4名を対象としたインタビューをおこなった。その結果の概要について述べる。 【教員を対象としたインタビュー】 対象は,看護系大学に勤務しており,臨床実習で学生の指導によく携わっている教員8名であった。職位は全員助教で,専門分野は基礎看護学2名,臨床看護学6名であった。調査期間は,平成25年2月~3月であった。縁故法により調査への協力者を募り,文書と口頭にて調査の目的,意義,方法,倫理的配慮などについて説明をおこない,同意が得られた者を対象者とした。調査内容は,対象が担当している実習の概要,学生に対しておこなっているケアリングなどで,インタビューは1時間程度実施した。インタビューの内容は現在逐語録を作成し,分析している段階である。インタビューでは,臨床指導者と役割を分担したり連携しながら指導にあたっている様子や,記録の指導,グループダイナミクスへの働きかけなどが述べられており,テーマにそって質的に分析していく予定である。 【学生を対象としたインタビュー】 対象は,看護系大学に在籍しており,臨床実習の経験がある3年生4名であった。調査期間は平成25年3月であった。縁故法により教員から対象者を紹介してもらい,文書と口頭にて調査の目的,意義,方法,倫理的配慮などについて説明をおこない,同意が得られた者を対象者とした。4名は同じ大学に在籍する学生で,グループインタビューを実施した。調査内容は,今までに経験した実習の概要,印象に残っている教員の関わり,教員との関わりによって自分が成長できたと感じた経験などで,インタビューは1時間程度実施した。インタビューの内容は現在逐語録を作成し,分析している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は平成22年度から25年度の4箇年で実施予定であり,計画は2段階で構成している。第一段階は,学生と教員がともに成長し合うことを可能にする両者の関係を相互作用を基盤に明らかにすることであり,第二段階は,第一段階の結果をもとに,実習における学生-教員間のケアリングカリキュラムを作成し,実施・評価することである。 平成22~24年度は,第一段階の課題を実施した。具体的には,看護系大学に勤務する教員96名(有効回答率19.2%)を対象とした質問紙調査と,同じく教員18名を対象としたインタビューである。また看護系大学に在籍しており臨床実習の経験がある学生4名を対象としたグループインタビューを実施した。平成25度は,学生を対象としたグループインタビューを継続し,第一段階の結果をまとめて,第二段階のカリキュラムの試案作成に入りたいと考えており,概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の課題は,学生-教員間で行われているケアリングを明らかにし,実習におけるケアリングカリキュラムの試案を作成することである(第一段階,第二段階)。 <第一段階> 学生が教員から受けたケアリングを明らかにすることを目的に,看護系大学,あるいは短大,専門学校に在籍しており,臨床実習の経験がある学生50名を対象に4~5名のグループインタビューを実施する。質問は,「実習中の教員との間の出来事で印象に残っていることがあるか,またどんな体験だったのか」「教員との関わりで実習に対する不安が軽減したり,意欲が増したり,自分が成長できたと感じる体験があるか,またそれはどのような体験だったのか」である。インタビューの内容は対象者の許可を得て録音し,作成した逐語録をもとに質的に分析する。 <第二段階> 平成22~24年度に実施した看護系大学に勤務する教員18名を対象にしたインタビューの結果と,上記<第一段階>の学生へのグループインタビューの結果をあわせて分析し,カリキュラムの試案を作成する。結果について,学生と教員がともに成長し合うことを可能にする両者の関係を相互作用を基盤に考察し,実習におけるケアリングカリキュラムの試案を作成する。
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