研究分担者 |
西田 頼子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (50324215)
内田 一美 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (80320365)
古屋 洋子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (80310514)
長崎 ひとみ 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (00436966)
大日向 陽子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (40570263)
西山 佐知子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (70568279)
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研究概要 |
平成23年度は,看護学生と臨床看護師の臨床看護技術実践過程における「技」と「美」と患者の1快」との関連を明らかにすることであった。輸液中の患者を想定し,患者役学生(本学1年生,18名)に,移動・ベッドメーキング・洗面・着衣交換・寝衣交換の一連の看護実践過程を,看護学生群(本学4年生12名),臨床経験5年未満看護師群(以下,5年未満群)20名,10年以上看護師群(以下,10年以上群)20名の3群の対象者が実践した。評価は患者役学生と教員評価者により行われ,評価基準は,実践過程における「技」(手技が良い,立振舞が良い,言葉が良い,手順が良い,巧みである),「美」(きれいである,心身に良い,見事である,無駄がない,すばらしい),「快」(心地よい,違和感がない,楽である,苦痛がない,柔軟である)計15項目であり,評価基準は「全くそうだ」6点~「全くそうでない」1点の6段階評価を用いた。3群の特徴を比較・分析した結果,患者役学生と教員評価において,いずれの動作の「技」「美」「快」の評価も,中央値・平均値が臨床経験10年以上群>5年未満看護師群>看護学生群の順で高く,検定上有意差があった。特に,移動・ベッドメーキング・寝衣交換において,教員評価が10年以上群の「技」「美」の項目が高値(中央値5.0)であり,看護学生群(中央値3.0)とは有意差があった。平成24年度は,3群に区分し「技」「美」「快」の関連の分析を深める。10年以上ベテラン看護師群と5年未満看護師群との比較,ベテラン看護師群と学生群とを比較・分析し,特に学生群が低い看護場面と「技」「美」「快」の項目とその根拠について分析を深めることにより,臨床看護技術教育の課題を見出す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画は,学内での予備調査を踏まえて,附属病院入院患者を対象に調査を実施する計画であった。しかし,患者への調査依頼や附属病院看護師40名を対象者として同時期に調査依頼することは,年度末で異動の多いこともあり困難であった。そのため,計画を看護学科実習室で模擬患者を対象とした内容に一部変更して実施し,1週間という限定された期間中に集中的に調査を行った。計画の一部変更により,学生や臨床看護師の多くの研究協力が得られ,調査は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は,臨床看護師の10年以上群,5年未満群,看護学生群の3群に区分し,既調査データを用いて臨床看護技術の「技」「美」「快」の関連性の分析を深める。10年以上看護師群と5年未満看護師群との比較,10年以上看護師群と看護学生群とを比較・分析し,特に学生群が低い看護場面と「技」「美」「快」の項目・その根拠について分析を深めることにより,基礎教育における臨床看護技術教育の課題を見出す。10年以上看護師群が学生群と比較し,特に評価が高い場面と項目・その根拠を分析後,結果をA大学附属病院看護部に冊子として提示し,ベテラン看護師の臨床看護技術教育(臨床看護技術講義・演習・実習等)への参画と看護技術教育・指導要員として登用を検討する。検討結果を含め,日本看護科学学会での発表,日本看護科学学会誌等への投稿を行い,調査結果の公表に努める。
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