研究課題/領域番号 |
22592371
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
井村 香積 三重大学, 医学部, 講師 (00362343)
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研究分担者 |
細田 泰子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (00259194)
高植 幸子 椙山女学園大学, 看護学部, 准教授 (10335127)
足立 みゆき 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20263494)
吉田 和枝 三重大学, 医学部, 准教授 (40364301)
林 智子 三重大学, 医学部, 教授 (70324514)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | EI / コミュニケーション / 看護学生 |
研究概要 |
【目的】 看護学のコミュニケーションの介入方法の検討と介入の実施、学生版EI尺度の項目の精選と信頼性と妥当性の検証を行う。【方法】看護学生のコミュニケーションの介入方法を検討するために、看護学生1年生にEIの測定(EQSを使用)を行なった。介入として、コミュニケーション講義を6回実施した。その後、学生2人1組となり、ロールプレイングを行い、プロセスレコードを課した。さらに、学生版EI尺度の項目の精選を行うために、3・4年生の学生にアンケート調査を行った。【結果】EQSの領域ごとのMは、自己対応領域は47.32、対人対応領域は50.88、状況対応領域は43.29であった。これらのなかでも、自己対応領域における25パーセントタイル値以下の15名(自己対応領域低群)、対人対応領域における25パーセントタイル値以下の学生10名(対人対応領域低群)のプロセスレコードのなかの「私の感じたこと」に着目し分析した。自己対応領域低群では、自分の感情を表現したものはなかった。これらのことより、自己対応領域低群の学生は相手との会話の中で、自分の感情を十分に見つめることが苦手であると考えられる。また、対人対応領域低群では、相手の表情、声などより相手の感情は理解しているが、その感情の背景に何があるかといったことまでは理解していなかった。以上のことより、自己対応領域群の学生に対しては、自分の感情を見つめることができるような指導、対人対応領域の低群の学生に対しては、相手が表出している感情のみではなく、その感情の背景を推測できるような指導が必要であることが示唆された。 学生版EI尺度の項目の精選では、看護学科3・4年生38名に質問紙調査を行った。96項目のなかで天井効果やフロアー効果のある3項目を削除した。現在、対象者数が少ないため、今後、対象者数を増やし検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年生を対象にコミュニケーションの介入を実施することができた。学生版EI尺度の作成においては、項目の選定まで実施することができたが、対象者数が十分でなかったので、さらに、対象者数を増やし、信頼性と妥当性を確保する必要がある。対象者数が十分でなかったのは、アンケートの項目が多いため回答率が低かったと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
学生版EI尺度の信頼性と妥当性を確保するために、対象者数を増やし検討する。 1年で行ったコミュニケーション教育より、さらに、実践に近いコミュニケーション教育を行う。患者とのコミュニケーションができるように、まずは、SPとコミュニケーションの演習を行い、実施したコミュニケーションを振り返り、よりよいコミュニケーション方法を検討する。さらに、実習において、患者とのコミュニケーションを振り返る。これらの教育を行う前後で、EQSと学生版EI尺度を実施し、介入の効果を明らかにする。
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