研究課題/領域番号 |
22592379
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
渡辺 由加利 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (10310088)
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キーワード | 看護教育 / 模擬患者 / 模擬患者養成 / 模擬患者参加型授業 / OSCE |
研究概要 |
本研究の目的は、「看護教育における模擬患者養成プログラムの検証と支援するシステムの構築」であり、平成23年度は、1.看護教育と医学教育におけるSP体験の共通点および相違点から、看護教員における模擬患者の特徴を明確にすること、2,模擬患者のスキルアップと継続した活動を支援するためのプログラムを検討することを中心に研究をすすめてきた。1については、看護教育と医学教育で模擬患者の体験があるSP6名へのインタビュー内容を分析し、その結果に基づき質問紙を作成中である。今後プレテストを実施し、看護教育と医学教育における模擬患者の体験の相違についてさらに明らかにしていく。これにより、看護教育においてSP活動を行う上での特徴を模擬患者に示すことができるとともに、教員にとっても模擬患者への協力を依頼する際の指針を示すことができる。 2については、現在本学の模擬患者として活動をしている23名を対象とした定例学習会を開催した。学習会の回数は1回/2か月であり、実施時間は1回2時間であった。5月・7月・9月のプログラムの内容は、実際の授業やOSCE場面を録画した映像を視聴し、演技やフィードバックについて評価することである。11月は現在SPとして活動をしている学部講師を招いて特別学習会を開催し、効果的な演技とフィードバックに向けた演習を行った。また、11月の学習会の開催時には他大学のSPとの交流会を開催した。学習会終了後のアンケートの結果、実施回数については全員が良いと答えており、9割のものが学習会は模擬患者としてのスキルアップに役立ったと答えていた。また、活動を継続するうえで、模擬患者同士の横のつながりや他大学のSPとの交流が有効であることが明らかになった。さらに、SPから大学で開催する学習会以外に自主的な学習会を開催したいとの申し出があったことからもSPへの支援が効果的に行われたものと推察する。一方、SP参加型授業を実施している科目が固定化しており、SPの中にはマンネリ化しモチベーションの維持が課題となっていると感じているものもいた。これらの結果に基づきプログラムの検討を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビューの分析に時間を要し、質問紙の作成が遅れた。その結果、質問紙の配布に至らなかった。その理由は連携研究者の学内における役割が増えたことが一因である。
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今後の研究の推進方策 |
SPへの支援システムの構築に関する調査は順詣であることから、この調査を担当している連携研究者を研究遂行が遅れている看護教育における模擬患者の特徴の明確化に関する調査の役割に変更する。
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