研究課題/領域番号 |
22592382
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
及川 正広 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (60537009)
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研究分担者 |
平野 昭彦 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (30305255)
武田 利明 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40305248)
三浦 奈都子(小山奈都子) 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (40347191)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 抗がん剤 / タキソテール / ナベルビン / ステロイド局所作用 / 罨法効果 |
研究概要 |
抗がん剤血管外漏出時の一般的な処置として、ステロイド剤の局所投与が推奨されている。しかし、抗炎症作用を期待するステロイド剤が、壊死性抗がん剤に分類される薬剤に対しても効果が期待できるか疑問がある。そこで本年度も、ステロイド剤の局所投与の有効性に対する実証実験を実施した。実施方法は、ラットの背部皮膚に漏出病変を作製し、漏出部周囲から中心に向かってステロイド剤(ソル・コーテフ)を1ヶ所につき0.1mlとし5か所に計0.5ml局所皮下投与した。抗がん剤はタキソテールを使用した。選択理由としては、外来化学療法室に勤務する看護師らが、治療後皮膚傷害の訴えが多い薬剤としてあげられ、また、これまでの研究結果から、明らかなステロイド作用が確認できなかった薬剤であることが理由である。実施した結果としは、本年度の実験でも、タキソテールにおいて、ステロイド剤を投与した病変と対照病変とでは、明らかな差は認められなかった。その他には、看護師から、投与中に血管痛の訴えや、投与後血管周囲炎を併発する割合が高いナベルビン対して、罨法の安全性について検証依頼があり、ラット背部に作製した漏出病変に罨法(温罨法40℃前後、冷罨法20℃前後を20分)を実施し、漏出部の肉眼観察を行った。実験結果からは、温罨法で皮膚傷害の拡大が認められ、温罨法実施の危険性を示唆した。結果に関して、看護師から、「投与中の血管痛に関しては、温罨法で軽減すると話される患者もいる」との意見も聞かれ、安全性と安楽を含めた検証の必要性を再確認し、血管内皮への影響の検証なども検討に入れ、臨床のケアに還元する知見を提供していきたい。今年度得た実験結果に関しては、外来化学療法室の看護師との交流会や、看護系学術集会などで発表を行い、看護師との共有を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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