研究課題/領域番号 |
22592386
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
習田 明裕 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60315760)
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研究分担者 |
志自岐 康子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (60259140)
佐藤 政枝 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (30363914)
三輪 聖恵 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (20457831)
中村 美幸 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (40423818)
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キーワード | 臓器移植 / 院内コーディネーター / 脳死ドナー / 看護 / 倫理 |
研究概要 |
本研究は、本邦の院内コーディネーターの職務内容の実態を明らかにするとともに、その課題について倫理的視点から熟考し、今後求められる役割・機能について言及することが目的である。本年度は研究の準備段階として、文献検討及び研究グループ内のディスカッションを通して研究計画書の見直しを行い、データ収集の準備を行った。また臓器移植を重点的に行っている医療機関の院内コーディネーターに対してヒアリングを行い、実際に行っている活動内容や担っている役割、その機能について調査を行うとともに、今後行う調査内容の妥当性について確認を行った。 文献検討の結果、一昨年度可決公布された改正臓器移植法と同様なpresumed consentを採用している国々の方が、統計学上有意に臓器提供者数が多く、さらに本邦のようにexplicit consentからpresumed consentへの変更した国では、臓器提供数が2倍以上に増加しており、少なくても今回の制度的な仕組みの変容は、脳死ドナーの増加に寄与することが示唆された。またpresumed consentを採用している欧州22カ国を対象に臓器提供増加への重要度を調べた調査では、院内コーディネーターの設置やそのプロフェッショナリズムを挙げており、院内コーディネーターの重要性を示していた。 一方、院内コーディネーターに対するヒアリング調査を3名に実施した。対象の平均年齢は39.7±3.5歳、コーディネーターの経験年数は5~15年間で平均8.3±5.8年間であった。共通する役割・機能として、医療スタッフとして病院に勤務しながら、臓器提供に関する詳しい情報提供を行うとともに、臓器提供者が発生した際には必要となる院内の調整行い、家族の意見を尊重しながら臓器提供について最終的な意思決定ができるよう支援する役割を担っていた。
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