新人看護師の職場適応を促進するために、「新人看護師自身がストレス反応を把握し、その要因について客観的に自己評価を行い、具体的な対応策を考えることができる」ことを目標に、新人看護師に対する介入プログラムを実施している。今年度も、新人看護師に対する介入プログラムを就職後6ヶ月、評価のための質問紙調査を就職後3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月に行い、協力施設および協力者に対して結果を報告した。 2012年度の新人看護師の就職後の1年間のストレッサーは、2011年度と比較すると全般的にわずかに上昇がみられ、ストレス反応も、12ヶ月にかけて低下の傾向を示していたが、若干の上昇傾向がうかがわれた。ストレス反応への影響要因として、看護実践能力が3ヶ月と12ヶ月で認められたことは、2012年度の看護実践能力の全般的な上昇が影響していると考えられる。逆に業務量の負担感はわずかであるが減少を示し、新人看護師の状況に何らかの変化が生じている可能性も否めない。 改訂版新人看護師のストレス認知尺度を作成し、学会(第39回日本看護研究学会学術集会)にて発表をした。 探索的因子分析の結果、改訂版ストレス認知尺度は、「看護実践能力」12項目、「人間関係」9項目、「対患者」3項目、「業務量」8項目、「自己学習・研修」4項目の5下位尺度36項目で構成された(累積寄与率50.4%)。改訂版は「自己学習・研修」を含め12項目が新たに加わった。クローンバックのα係数は.808から.898であった。改訂版の下位尺度と改定前ストレス認知尺度の合計との相関関係はr=.541~.800であった。 来年度以降は、改訂版ストレス認知尺度を使用して、新人看護師に対する介入プログラムおよび評価のための調査を実施する。2年目看護師については、グループ面接調査で得た結果をもとに、彼らの看護師としての成長に向けた介入方法を検討する。
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