| 研究課題/領域番号 |
22592396
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| 研究機関 | 三重県立看護大学 |
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研究代表者 |
林 辰弥 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (00242959)
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| キーワード | 足浴 / 血管内皮細胞 / 組織因子経路インヒビター / 組織フラスミノゲンアクチベーター / 組織プラスミノゲンアクチベークーインヒビター / トロンボモジュリン |
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| 研究概要 |
血管内皮細胞は、血管内壁に存在する血液と接する細胞であり、組織因子経路インヒビター、組織プラスミノゲンアクチベーターやそのインヒビターなど、それ自身が種々の抗血栓性因子や線溶調節因子を発現することにより、血液流動性の維持に重要な役割を果たしている。本研究では、基本的な看護技術である足浴の血管内皮細胞に対する温熱刺激に伴う線溶調節因子の発現変動による血栓症予防効果の有無を明らかするため、本年度は、足浴前、足浴中及ひ足浴後における血管内皮細胞から遊離される組織プラスミノゲンアクチベーターインヒビターの血漿濃度の変化について検討した。健康な成人女性を無作為に、37℃足浴群、40℃足浴群及び43℃足浴群の3群(各群10～15名)に分け、それぞれ、足浴前、足浴10分後、足浴20分後、足浴終了後10分、足浴終了後20分に微量採血法による採血を行い、得られた血漿中の組織プラスミノゲンアクチベーターインヒビター濃度を酵素抗体法により測定した。37℃及び43℃足浴群では、足浴前に比較していずれの時間においても有意な血漿組織プラスミノゲンアクチベータインヒビター濃度の変化は認められなかったが、40℃足浴群では、足浴前に比較して足浴10分後及び足浴20分後に血漿組織プラスミノゲンアクチベータインヒビター濃度の有意な低下がみられた。以上の結果より、足浴は血管内皮細胞からの組織プラスミノゲンアクチベータインヒビターの分泌を抑制することにより線溶を活性化することが明らかになり、40℃の足浴が深部静脈血栓症予防看護ケアとして有用である可能性が示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度末に勃発した東日本大震災により、血漿抗凝固因子及び線溶調節因子の測定キットの到着が遅延し、足浴前後の抗凝固因子や線溶調節因子の血漿濃度の測定が遅れてしまったため。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度は、足浴が抗凝固作用に加えて線溶促進作用を有することが示唆されたので、当初の予定通り、足浴の抗凝固作用と線溶促進作用に及ぼすアロマオイルの影響を検討する。
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