研究課題/領域番号 |
22592400
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
勝山 貴美子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10324419)
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研究分担者 |
内藤 道夫 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (50135696)
平田 明美 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00444943)
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キーワード | チーム医療 / 学際的 / 連携 / 信頼 / 患者中心 |
研究概要 |
23年度は、12月と3月に2回の患者や様々な医療職者を含む「患者を中心とした学際的チーム医療連携」とはどのようなものか議論するフォーラムを開催した。12月は「東日本大震災の体験から看護と看護管理を考える」(第180回東海病院管理学研究会と共催)を開催し、関東地方の病院における緊急時の医療連携の実際と課題について災害社会学の専門家とともに議論をした。緊急性の高い、非日常において、普段からの医療連携の重要性とその課題が明確となった。緊急性の高い状況において、医療連携は、患者が中心にならざるを得ない。患者自身が、いかに自分自身の病気や身体を理解し、そのことを医療従事者に語るか、同時に自身の健康を管理せざるを得ない。そのためには、患者は普段から自身の健康管理に対する意識を持つことと同時に、医療従事者がその重要性を伝える必要がある。3月は「患者を中心とした学際的チーム医療連携とは何か」(看護経済・政策研究学会と共催)を開催し医師、看護師、患者、研究者の立場から学際的チーム医療連携のあり方について議論を行った。この中で、患者を中心とした学際的チーム医療連携は、診療報酬がついてチームが構築されればよいのではなく、お互いの専門性の理解と協働していくためのフォーマル、インフォーマルなコミュニケーションが大きな鍵であり、横並びの医療連携が必要であるという根本的な課題が明らかになった。2月末から、約10病院の医療職4000人程度に「医療従事者のチーム医療連携の認識」に関する調査を実施した。その中で、医療者自身が、その専門性を理解した上で、効果的に連携ができていない原因とその課題が明らかになったが、さらに詳細な分析が必要となる。そこで、最終年度は、昨年の調査やフォーラムでの成果をもとに患者を中心とした学際的チーム医療連携にむけて基盤整備を行うとともに、次年度以降の新たなる研究にむけての課題を明確にする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までの計画に基づき、概ね実施することができた。ただ、その成果を、十分に分析し、研究論文として投稿できておらず、今年度は、成果をまとめ発信するとともに、来年度以降の研究に向けて、議論を重ねる必要があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年実施したアンケート調査とフォーラムでの成果を詳細に分析をすることを通して、学際的医療チーム連携の実態について課題を明らかにする。特に、多職種での連携の難しさ、医療連携に使用する文書などの問題と課題を明らかにするが、必要があれば、該当する医療職者に聞き取り調査を実施する。連携に必要なツールである電子カルテ情報は、2年間にわたって分析をしてきたが、今年度は、その成果をもとに病院の医療情報共有に関する基盤整備に関する提言を行う。収集した医療従事者と患者のコミュニケーションデータを、チーム医療連携の観点で分析をし直し、その課題を明確にする。上記の成果をもとに医療従事者や市民を対象としたフォーラムを実施し、研究成果を共有し、今後の課題を明確にする。今までの研究の成果を、論文として公表していく。
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