研究概要 |
ハンドマッサージを含め,身体各部へのマッサージの生体反応やリラクセーション反応に関する研究についての文献検討を引き続き行った。さらに緩和ケアに関する研究についての文献検討を実施しそして,マッサージによる生理心理学的効果のみならず,寄添うことや手と手が触れ合うことでの効果があり,緩和ケアのひとつとしてマッサージは患者のニーズが高かく,ハンドマッサージの自律神経及び心理面への影響を科学的に実証する本研究の意義についてさらにディスカッションを進めることができた。 また,自律神経活動の指標のひとつとして,末梢循環動態の評価について検討するため,性周期による自律神経活動への影響を受けない若年健康男性を対象にして実験を行った。マッサージ部位の上肢に加え,足部での皮膚表面温度の変化から,末梢循環動態を評価した。その結果,これまでの研究で明らかにされている生理心理学的なリラクセーション効果が明らかになり,加えてマッサージ実施の上肢のみならず,下肢末端の末梢循環にも影響することが示唆された(看護技術学会 発表準備中)。この結果をふまえ,患者においても末梢循環評価を実施することを検討し,若年健康男性で左右の足部での差が認められなかったことより,測定による侵襲を最小限にするため片側側背部での測定を用いることを検討した。 3月より,協力病院との調整を始めたが,3月11日に起こった東日本大震災により,臨地での患者を対象とした実験実施を一時中断した(現在,再調整を始めた)。
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