研究課題/領域番号 |
22592412
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
村松 由紀 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (10348097)
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研究分担者 |
大野 明美 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (40458534)
森川 奈緒美 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (20445125)
石井 祐子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (70611797)
中西 睦子 国際医療福祉大学, その他の研究科, 教授 (00070681)
樺澤 一之 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70095785)
藤田 京子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (20406169)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 看護コミュニケーション / リメディアル教育 / 対人関係スキル / 看護教育 |
研究概要 |
【目的】基本的な対人関係スキルの低い学生への対処として独自の看護コミュニケーション実践能力強化プログラム(以下演習)の検討と実践評価を重ね,入学から2年次基礎看護学実習終了までの評価検証を図った。 【方法】対人関係理論や方法論の講義演習を実施。入学時,演習前・後,実習前・後の計5回の自記式アンケートを実施した。調査票は,対人関係尺度18項目(kiss-18;菊池1988,以下尺度)を用い「当てはまる(5点)」~「当てはまらない(1点)」の5段階評定法尺度にて回答を得た。分析方法は記述統計,2群の母平均値差の検定および一元配置分散分析。倫理的配慮は研究者が所属する大学倫理審査委員会の承認を得た後,調査への協力は強制ではない,得られたデータは統計的に処理し研究として取り扱う,結果は成績評価に影響しないことを調査毎に説明し同意を得た。 【結果】調査対象数129名中,調査時期毎の研究承諾者数(割合)は、入学時125名(96.9%),演習前74名(57.3%),演習後124名(96.1%),実習前125名(96.9%),実習後(126名(97.6%)。分散分析の結果入学時期と2年生実習後で有意差がみられた(F(4,563)=2.94,p<0.05)。その2群間の母平均値差の検定結果は表1 【考察】演習は看護実践の基盤となる基本的な対人関係スキル(1年次)を土台に日常的な看護場面における患者-看護師関係を学ぶ(2年次)。有意差を得た項目は尺度構成因子の「初歩的スキル」や他者への対処や調整を要求される「ストレスを処理するスキル」は学習などで培えたと考える。一方,感情処理や防衛的なスキルについての得点が低いことは演習プログラムで希薄な部分に加え,攻撃を避ける傾向にある現代の若者の特性とも通ずる。今後の内容構成の修正と意図的,教育的な介入の必要が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の一部は,授業科目として位置づけられており担当教員による研究協力体制が得られている。また,研究協力者として開発プログラム実施およびデータ収集要員としての協力も得ていることから計画どうり年度内の研究成果をねらうことが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
【平成25年度計画】 『演習A』および『演習B』を受講した学生がその後に体験する臨地実習でのコミュニケーション能力評価からトレーニングプログラム効果を検証する。対象は,研究同意が得られトレーニングプログラムを平成23年に受講した3年あるいは4年生で,当該学年の配当科目実習(必修)を終了した看護学生である。方法は,自記式質問紙調査,調査票の構成は,①基本的属性,②コミュニケーションスキルの育成を支える科目の履修状況(看護学概論,基礎看護学等),③実習に関する情報(科目,期間等) また,看護学生と臨床経験のある看護師のコミュニケーション力を把握し,2群間の比較分析から独自のプログラム内容について検討することを目指す。現在,調査中。調査票の構成は,対人関係尺度(KISS-18;菊池,1988)あるいは看護師における患者とのコミュニケーションスキル測定尺度(上野,2005)および基本的属性の42項目。 【最終年度の研究成果推進方策】 これまで蓄積した研究成果の論文発表およびパンフレットの作成,看護教育用の教科書など教材化,看護学教育関連の学会への広報活動内容などを計画している。
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