研究概要 |
今年度は、看護師離職の要因を明らかにするため主として施設満足感を問う質問表を作成して全国の抜粋病院(200症以上の一般病院)に対してアンケート調査を行った。377施設1,965名の中堅看護師にアンケート表を配布し1,146名から回答を得た。全国調査を行うことで全県の病院に対してアンケート用紙を配布したが、20県からしか回答を得られなかった。データは、Excel形式でPCに入力後、SPSS形式データに変換を行い、離職の有無に関して記述統計、クロス集計(独立性の検定、比率の検定を含む)などの基礎的な統計分析を行った。アンケートの内容は、看護師の属性、設置主体、施設選択理由、離職理由、施設満足感などである。結果の抜粋として以下が得られた。離職なし、ありの看護師が職場を選んだ理由は双方とも「住居と職場が近い」であった。現施設に在職している理由で多かったのは「看護師との人間関係がよい」であり、離職した看護師の離職理由は「労働条件が厳しかった」であった。離職有無に関して施設満足感はx2乗検定の結果、「看護実践力」、「キャリア」、「給与」、「職業的地位」、「燃え尽き」に有意性が認められた。相関分析の結果では、「看護実践力」、「キャリア」、「燃え尽き」が離職の有無に関して関係性が認められた。すなわち、看護実践力、キャリアがある場合はやめない傾向にあり、燃え尽きの場合はやめる傾向にあることが示唆された。給与の影響はみられなかった。施設満足感は更なる詳細な分析を行って結論を出す。
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