研究課題
本年度は研究最終年度として、過去2年間に開発したシステムを運用しながら完成度を確認した。無線中継システムは計画通り、市町村レベルをサービスエリアとして十分実用レベルに達するシステムに仕上がったことを確認した。さらに、予定通り商用電源を必要とせず、ランニングコストもまったく生じない理想的な通信システムとして仕上がった。ここまでの成果は関連する国内外の学会で発表し一定の評価を得ることが出来た。また、小電力無線で対応しきれないエリアに対しては、デジタル簡易無線を利用した通信システムの構築を試みた。これにより前記したシステムで不足とされる部分を補い、被災地で行われる医療・看護活動をより強力的で且つ現実的にサポートできるシステムに仕上げることができた。この研究が行われている最中に東日本大震災が発生したため、研究途上の試作器を急遽被災地に持ち込み、災害医療の通信サポートに活用した。計画外の出来事であったが、これらのシステムが災害時の医療活動に大いに役立つことを証明することとなった。本年度はこれらの活動状況を改めて検証し、関連学会で報告を行い一定評価を得た。本研究計画全体で唯一完成できなかった部分が小電力無線のシステムとインターネットの融合計画である。計画実現に向けて独自のVoIPソフト作成を行ってきたが十分な結果を得られないまま今期の研究を終了することなった。すでに一般に公開されているVoIPソフトを代用した実験では一応の通信伝送を実現させることができたが、本研究の目的に照らし合わせると十分なものではなかった。より一層、独自のVoIPソフトウエアの開発が必要であることが明確となった。しかし、ここで得られた数々の知見は今後研究を継続する上で重要な基礎データとなるだろう。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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2012 7th International Conference on Telecommunication Systems, Services, and Applications (TSSA)
巻: 6366011 ページ: 9-13
10.1109/TSSA.2012.6366011
Radiomatics Journal on communications engineering
巻: Volume3 No2 ページ: 14-21