看護の基盤作りを担う専門領域I(基礎看護学領域)の看護過程、フィジカルアセスメント、日常生活援助の3科目に焦点をあて、効率的に学習を積み上げることのできる統合的な科目構築と、質の確保ができるようにマネージメントシステムを組み込んだ教育プログラムの構築を最終目的とした。平成24年度は最終年度として、作成した教育プログラムを運用し、Hazard Analysis Critical Control Point(HACCP)による管理を実行し評価することで、技術教育における新しい教育的アプローチに関する方法論を確立することを目的とした。また、研究活動を総括し研究成果を社会に公表し、教育プログラムの普及を試みた。 1.教育プログラムの運用 Plan-Do-Check- Act (PDCA) サイクルを教育活動の中に根付かせることを目標とした。学習者の満足度が高く、わかりやすい教育の実施を重要なポイント (Critical Control Point; CCP)に設定した。HACCPの管理の特徴であるCCPの連続的記録を実施しながら教育活動を行った。その結果、教師は学生が理解しにくい内容を早期に把握し、迅速に対処することが可能になった。一方、学習者は授業に積極的に参加し、満足度も高く、単位取得に至った。 2.看護技術教育における包括的な教育的アプローチに関する方法論の確立 1)統合的な科目群の構築 学習が効率的に積み重っていくためには、共通の価値観の下、アセスメントと看護技術を直結させた形で展開する。学習内容は順序性を考慮し、段階的に課題負荷をかけていくことが望ましい。 2)一連の教育の質を確保するためのマネージメントシステムの効果 事前に危害分析し、CCPを設定し、連続的に監視することで、問題の早期発見、早期対処が可能になり、結果として教育の質を確保することが可能になると示唆された。
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