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2011 年度 実績報告書

看護師の夜間勤務における中枢性および末梢性疲労の神経生理学的評価

研究課題

研究課題/領域番号 22592420
研究機関東邦大学

研究代表者

田中 美穂  東邦大学, 看護学部, 助教 (80385567)

研究分担者 室 増男  東邦大学, 医学部, 教授 (80112887)
キーワード看護学 / 生理学 / 中枢性疲労
研究概要

夜間勤務による女性看護師の心身への影響を、生理学的な計測により調査されたものは少ない。そこで、本研究は夜勤により起こる看護師の生体疲労を評価するために、勤務中のHeart Rate Variability(HRV)計測、夜勤前・後の疲労テスト(flicker-test,反応時間,ピンチ力)を実施した。被験者は15名のうち、勤務中に仮眠を20分以上取ることができた者10名を分析対象とした。
勤務開始前15分のHRVのTotal power component(TP)が2000ms以下の者5名(Group Low=GL)と、以上の者5名(Group Normal=GN)の2群に分類し分析を進めた。夜勤中の2群間のHRVを比較した結果、GLにおいて自律神経のバランスが交感神経有意であり、一方GNでは迷走神経が活発に変動していた。また、GNは疲労テストで夜勤の疲労が検出されたが、GLでは3つのtestのすべてで検出されなかった。ピンチ力で両群間の疲労蓄積に有意差が見られ、GLよりもGNのほうが疲労していたことが明らかとなった。
生物学的な夜にあたる時間帯に活動すると疲労が起こるのは、生物として当然のことである。しかし、本調査の結果GLでは疲労が検出されなかった。GNのように急性の疲労が起こる看護師は身体の生理的防御機能が働いており、休息による疲労回復がすすみ、健康を損なう恐れが少ないと考えられる。しかし一方で、GLのように従来の検査方法では疲労が検出できない看護師は、疲労が蓄積しつつあるChronic Fatigue Syndrome予備軍の恐れがある。現段階ではまだ仮説であるが、勤務中の交感神経と迷走神経のバランス、および勤務後の中枢性疲労の両群の差異が蓄積疲労のスクリーニングの拠になると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの実験結果を論文として執筆し、投稿前の最終のチェックの段階にある。また、本テーマでの最終実験も現在進行中であり、データの蓄積が進みつつある。概ね順調である。

今後の研究の推進方策

データ収集が終了次第、今年度中に結果すべてを論文として発表する。ただし、実験状況は整っているものの被験者のリクルートが進まず苦心している。被験者募集の告知を再度行う予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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