1.研究組織の招集・関係機関への協力要請(5月~3月);看護部に本研究を説明し、看護師長1名、がん領域認定看護師2名、看護師3名の協力者が得られ、10月に当学の倫理審査で研究開始の承認を得た。研究対象者(約20名)は、平成23年3月に決定予定だったが、東北地方太平洋沖地震の被災を受け災害医療の基盤病院となったので、募集を4月まで延期した。 2.学習会の企画・実施(10月~3月);看護部では卒後教育の日程が11月まで組まれていたので、12月から3月まで4回の学習会を行い、100名の参加を得た。主な内容は、相談のプロセス(講義)、相談におけるシステムズアプローチ(演習2回)、がん看護専門看護師が行う相談(事例検討)であった。 3.相談技術の訓練に関すること(5月~3月);研究分担者が組織する「家族看護実践センター」の協力を得て、相談技術を開発するプログラムの構築を図った。研究会議を6回(本学4回、川崎市2回)開催し、教材DVD作成・編集・DVDを活用した演習方法の検討を行った。また、家族看護において看護師が遭遇する困難場面について学会発表を行ったことで、プログラムの構築に役立った。 4.がんサロンなどの企画に関すること(7月~2月);がんサロンの開設については、患者が主体に行っている松江市立病院、医療者が中心に行っている岩手医科大学附属病院の施設見学を行なった。当院の状況にあった企画を検討し、臨床腫瘍センター長との協議で了承が得られ、次年度から試行予定である。 5.評価(5月~3月);外来でのがん患者の告知後の問題等を討論したことで、現状評価につながった。学習会での看護師の反応から、がん患者・家族から悩み相談を受けたとしても解決に至るようなアプローチが難しいということが予測され、相談成立を困難にしている要因等の調査を行う必要性が認められた。
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