研究課題/領域番号 |
22592448
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
平井 和恵 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10290058)
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研究分担者 |
神田 清子 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (40134291)
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キーワード | 倦怠感 / がん / 外来化学療法 / セルフマネジメント / 看護 |
研究概要 |
前年度、介入に用いる教材ツールとして、介入内容に関するDVD(約15分)を映像制作会社の協力を得て作成した。これを外来化学療法室看護師、がんサバイバー各々数名に試写し、内容や表現にわかりにくい点はないか確認した。そのうえでDVDおよび治療ダイアリーを用いた研究実施について、介入群となる研究フィールドとの調整を開始、本研究の主な対象となる乳がんおよび大腸がん患者について、一日あたりの外来化学療法患者数の把握や、医師・看護師への協力を依頼した。これと並行して、乳がん患者2名に対して実際の介入プロセスを試行した。その結果、とくに2週目以降の治療ダイアリー継続の困難さが指摘され、電話訪問を加えることを検討した。しかし管理上の問題から、病院側より研究者が電話訪問することは認められず、対応を検討中であった。その最中、同病院で急遽診療科再編成があり、乳腺外科が撤退するとの情報を得た。その後、新規の乳がん患者の治療は基本的に行わないことを正式に確認し、術前あるいは術後補助療法として外来化学療法を受ける患者が得られないことから同病院でデータ収集することを断念した。次に、新たにデータ収集施設を探し、同様のプロセスを経、研究実施の調整を図った。新たな施設では1か月に得られる対象者数は少ないが、乳がん・大腸がんを含む多様な対象にアクセス可能であり、データ収集施設とした。そのうえで、所属施設の倫理審査会に申請準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究計画は、本来なら目標症例数の1/3~1/2程度のデータ収集を終えておくべきところ、データ収集会議が遅延してしまい、目標達成に満たない状況である。その理由として、①視聴覚教材開発の段階で、本領域における新たなエビデンス報告により内容の見直しが必要となったこと、②完成した視聴覚教材・治療ダイアリーを用いてプレテストを行うなかで、対象者のドロップアウトを最小限にするための見直しが必要となったこと、③当初予定していたデータ収集施設の診療科再編成により、施設変更を余儀なくされたこと、が大きな理由である。①は介入内容の妥当性を高め、より効果的なプログラム開発のため、②は十分な症例を得ることでデータ分析の精度を高めるために必要なプロセスであったと考えるが、③は研究者と施設とのコミュニケーション不足が原因であったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後はできるだけ早期に目標達成できるよう、①さらにデータ収集施設可能な施設を探し、倫理審査申請を行い、同時に得られるデータを増やすこと、②自身でデータ収集する対象者を増やすことが不可欠であると考える。また、施設との調整後に大幅な変更が生じると、今回のような事態となってしまうので、施設とは密に情報交換を行っていきたい。
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