研究概要 |
慢性呼吸器疾患患者を対象に笑いヨガリラクセーションプログラムを立案し、その効果を検討することを目的に、対象者を無作為に介入群と非介入群に分け、介入前後のデータを比較検討した。介入群における笑いヨガリラクセーションプログラムは、外来呼吸リハビリテーション時に笑いヨガを用いたリラクセーションを実施、また自宅において毎日笑いヨガを実施することとした。実施した結果、対象者は、外来呼吸リハビリテーションを受ける慢性閉塞性肺疾患患者で、介入群1名(60歳代、男性、stageIV)、非介入群3名(80歳代、男性、stageIII)であった。対象者数が少ないため2群における統計的検討は実施できなかった。介入群1名の介入前と介入6週間後のデータを比較検討した結果、質問紙調査におけるhospital anxiety and depressionn scale,QOL尺度のSF-8,E-SASにおける生活のひろがりでは有意な差は認められず、介入前後での変化は認められなかった。しかし、対象者によって記載されている療養日誌のデータでは、「笑い」の頻度において、介入前は「あまり笑わなかった」が、介入後は「まあまあ笑った」または「よく笑った」とする傾向に変化していることがわかった。 本研究では、対象者数が少なく統計的検討に至らず症例報告となったが、療養日誌からの「笑いの頻度」における変化は、笑いヨガの影響であったことは十分に考えられる。封筒法による無作為抽出法のため非介入群が多い状況となっているため、今後、対象数を継続的に増やし、2群間での比較検討していくことが今後の課題となった。
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