婦人科がんの中でも卵巣がんは、死亡率が高く細胞障害性抗がん剤による化学療法が標準的治療となっている。抗がん剤治療の有害事象ではこれまで生命予後に直接関係しない皮膚障害はあまり注目が払われていなかった。我々は抗がん剤が皮膚の生理機能にどのような影響を及ぼしているかについて、皮膚角層水分量、TEWL、皮膚色素量、皮膚皮脂量の4つの指標を用いて、健常者群、化学療法群、閉経群について測定した。その結果、化学療法群は健常者群や閉経群に比べて皮膚水分量が低下しバリア機能が低下していた。化学療法群は皮脂量も急激に減少しており、スキンケアには単なる保湿だけでなく皮脂を補うようなケアが必要なことが分かった。
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