研究概要 |
がん患者の治療法としてさらに増加傾向にある化学療法が外来へ移行してきており、患者が副作用の予防、体調管理や日常生活の調整などのセルフケアを行うように変化してきている。そのため、看護師の役割として患者がセルフケアを効果的に継続できるよう、セルフケア能力を支援・強化していくことの重要性をふまえ、本研究では「がん患者用セルフケア能力尺度」を開発し、具体的な援助モデルの検討を行うことを目的としている。 22年度はこれまでの科学研究費による研究(課題番号19592536)「がん患者のセルフケアの概念分析」が学会誌に掲載された。また治療期にあるがん患者のセルフケア能力について質的研究から明らかにするため研究に取り組んだ。研究結果から治療期にあるがん患者のセルフケア能力は、看護師やその他の医療従事者の関与あるいは患者自身が病気と治療の体験から獲得した能力であり,自己管理に対する思考の仕方や認識の転換も含まれると定義された。この研究成果の一部を日本がん看護学会で発表した。さらに論文としてまとめ、日本がん看護学会誌へ投稿中である。さらに、これまでの科学研究費による研究(課題番号19592536)の成果や上記の質的研究をもとに、がん患者のセルフケア能力尺度の原案を作成中であり、23年度に研究をさらに進める予定である。
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