研究目的:人工股関節全置換術(以後THA)を受けた患者で、退院後に脱臼した患者に面接を行い、具体的にどのような場面、状況、動作で脱臼したか、個人特性と併せて日常生活における脱臼要因と個人特性を検討するとともに、教材の活用度と教材への要望を明らかにする。面接の調査結果をもとに、取り組まれてきたパンフレットやDVD教材とは異なる。患者がTHA後の脱臼予防に関するセルフケアを獲得するためのコンピュータ教材を開発し、その学習効果を検討する。 研究実施計画I : THAを受け社会復帰後に股関節脱臼を起こした患者の実態調査 対象者はTHAを受け、社会復帰後に股関節脱臼を発症し、股関節状以外に歩行や日常生活に支障のなかった患者3-5名である。調査は半構成質問面接を行い、調査内容は(1)基礎データとして、年齢、性別、病名、既往歴と治療内容、THAによる入院期間をカルテより情報収集、(2)面接では、インタビューガイドに沿って、社会的役割とキーパーソン、サポート体制、術後股関節脱臼を発症した時期、脱臼された状況と対処、脱臼肢位であることの認識、心境さらに脱臼予防の指導内容とその実施への意見を調査し、面接時間は30分程度である。以上の内容を順天堂医療看護学部研究等倫理委員会に倫理申請を行い、認められた。調査期間は平成23年8月を目途に終了させる予定である。また、現在調査予定の機関における手術方法が変更してきているため、対象者が減少することが予測されるため、調査機関を増やすよう計画し、倫理申請をしてきたい。
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