研究課題/領域番号 |
22592467
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
金子 眞理子 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (50318151)
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研究分担者 |
柳 修平 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (30145122)
久米 美代子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (70258987)
西村 勝治 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60218188)
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キーワード | サイコオンコロジー / がん / ストレスマネジメント / 認知行動療法 / がん患者相談室 / 精神看護専門看護師 |
研究概要 |
1)ストレスマネジメントに関するがん患者への縦断的介入研究 がん治療中の患者のメンタルサポートとして、精神看護専門看護師1名が患者に現在のストレスをあげてもらいこれまでのストレス対処法を元に支持的精神療法あるいは認知行動療法(以下CBT)を用いた介入を実施した。平成22年度のデータを含め対象者は17名(女性12名)で1人につき2か月間に3回の介入を実施した。主な話題は療養生活に関する不安で73.3%(11名)、療養に伴う家族の心配・治療と仕事との両立が共に20%(3名)であった。主な介入方法は支持的精神療法を用いた面接は10名、認知行動療法を用いた面接は5名であった。 2)がん看護に携わる看護師の認識に関する横断的調査研究 A;対象看護師91名に対するがん患者の精神状態に関する認識・看護師自身のストレスマネジメント調査:看護師91名のうち有効回答88部を分析した結果、対象看護師の50%以上はがん患者の不安や抑うつのアセスメントに悩み、対象看護師のおよそ20%ががん患者の抑うつと怒りのケアに非常に悩んでいた。83.2%の看護師が職業上のストレスを感じており、看護師自身がストレスマネジメントをできていると回答したのは19.1%、50%以上の看護師からこれに関する教育ニーズがあがった。 B:がん看護専門看護師○名にがん患者カウンセリングに関する認識について横断的調査:3)ストレスマネジメントケアシステムに関する調査:がん診療連携拠点病院のがん患者相談室において、がん患者の相談内容、看護師の対応とシステムについて、調査研究を実施中。意義・重要性:がん患者のdistressは第6のバイタルサインとされる一方、スタッフのアセスメントや介入法は充分とは言えない。がん対策基本法にも精神心理ケアの重要性が着目されはじめたが、本研究はより多くのがん患者が精神心理面で緩和ケアをうけられるようがんに特有な精神心理ケアの介入法とスタッフの連携について検討する基盤となりうる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
がん医療におけるストレスマネジメントに関する患者のニーズ、がん看護に携わる看護師が、がん患者の精神心理面のアセスメントとケアでどのようなことに困難感を抱えているか、看護師自身のストレスマネジメントのニーズ等の調査が終了し、データ収集はがん看護相談室での患者のニーズや満足度調査の継続のみとなっており、研究はおおむね順調に進展している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでの調査をまとめ、専門雑誌やホームページ等に結果を公開し、ストレスマネジメントのケアシステムについて考察する。
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