研究課題
平成22年度は、肝がんサバイバーの身体活動量と睡眠・覚醒リズムの測定と、睡眠の質、倦怠感、QOLの自己記述式質問紙による調査についてプレテストを実施した。その結果に基づいて、対象者用の測定機器取り扱い説明書の作成と調査方法の一部変更を行い、臨床における研究倫理審査申請手続きを経て承認をされた。調査方法は、当初の計画では入院治療後の退院時から行う予定であった。しかし、肝がんサバイバーの入院生活や治療による身体活動や睡眠への影響を明確にするため、入院治療前のデータを基準に変化を比較することにした。そのため外来において肝細胞がんと診断され肝動脈塞栓術かラジオ波焼灼術による治療目的で、入院予約を行い自宅で入院待機中の時から調査を開始することにした。現在、消化器内科外来の医師、消化器内科病棟の看護師長を研究協力者に加え、外来で研究対象者への協力依頼を行い、調査を開始している。承諾を得られた研究対象者は、活動量計とアクティグラフを装着して、自宅での日常生活活動について調査中である。また、質問紙による倦怠感、睡眠の質、QOL調査も同時に行っている。研究の成果としてまとめられるデータ数はまだ十分に得られていない。今後は研究対象者を増やすために、入院治療中の肝がんサバイバーにも関わり、対象者との関係性を深め研究協力の承諾を得て調査を進めたい。また、臨床研究の場として他の医療施設にも拡大し調査を行いたい。データ分析上、入院治療前と退院後の対象群は、同じ集団で比較を行いたいが、対象者数が少ない場合は、入院治療前と治療後の対象群は異なる集団で行うことも検討する。