研究概要 |
極低出生体重で出生する子供が増える傾向にある.低出生体重児は,適正体重児に比べ,身体的発育・発達への不安や,育児方法(食生活,睡眠,しつけなど)についての不安も多く,また乳幼児の虐待対象にもなり易いとされ問題点が多い.妊娠中の生活習慣と産後の生活習慣および小児の生活習慣との関連性を明らかにして行く目的で調査行った.調査では、極低出生体重児の出生までの母親の妊娠経過中の身体的データと生活習慣,社会的状況,心理的状況、極低出生体重児の出生後の生育環境と成長発達、育児する母親の社会的状況,心理的状況および生活習慣、子どもの発達,成長および生活習慣について,退院後,面接および健診記録,アンケートなどを実施した。 2012年から参加同意者を募り、2014年までに931名の同意を得て、妊娠中期から順次調査を開始し、現在なお進行中ではあるが、現在までに生後1年までのデータを収集分析中である。 妊娠中の状況では、妊娠女性の喫煙が一般女性の喫煙率よりも高い傾向にあった。妊娠中にも喫煙を継続している女性は全体の13.1%、夫は48.1%で、喫煙経験のある女性の41.1%が禁煙できずに妊娠中も喫煙を継続していた。妊娠中に喫煙している女性の夫は全員喫煙しており、妊娠中に喫煙を中止した女性の54.8%の夫は喫煙していた。有意に喫煙男性は妊娠発覚を喜ぶ割合が低かった。家族機能(家族APGAR)は有意に喫煙女性の家族機能が低かった。出生児は現在452名であり、平均出生体重は3010.5±429.7g、低出生体重児(2,500g未満)は8.6%、極低出生体重児(1,500g未満)は1.1%であった。
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