母親とその実母・義母(以下、祖母)の双方にとって、産後早期におけるより満足度の高い子育て支援の授受を目的とし、両者の子育て支援に対する姿勢・役割意識の相違を明らかにした。首都圏の4市の4か月健診に来た母親720人(回収率47.3%)と祖母409人(33.1%)を対象に、自記式質問紙調査を行った。調査内容は、「見守り」、「サポートを与える」、「サポートを求める」の3因子からなるサポートに焦点を当てた親子関係尺度と産後4か月頃迄に母親と祖母間で授受された支援(26項目)とし、両者同じ内容とした。母親、祖母別に因子分析(主因子法・Promax回転)を行い、その結果を比較した。 母親と祖母間の親子関係尺度の「見守り」、「サポートを与える」、「サポートを求める」の因子の相関関係は3因子共になかった。3因子の得点は、「見守り」と「サポートを与える」では祖母の方、「サポートを求める」では母親の方がそれぞれ高く、両者間で有意な差(Mann-Whitney p<.000)がみられた。授受された支援の因子分析の結果は、母親では「情報支援(10項目)」、「母親の身体・休息支援(7項目)」、「情緒支援(8項目)」、祖母では「情緒支援(12項目)」、「情報支援(7項目)」、「母親の身体・休息支援(7項目)」の各3因子が抽出された。「母親の身体・休息支援」の支援内容は母親と祖母で同じであったが、「情報支援」と「情緒支援」では、児の皮膚や睡眠などで相違があった。相違があった支援については、母親は情報支援として、祖母は情緒支援としてそれぞれ認識し、支援の授受が行われていた可能性が示唆された。 以上の結果から、支援に対する姿勢・役割意識が、母親と祖母で異なっている可能性が示唆された。より満足感の高い支援の授受を行うためには、両者のそれぞれの支援に対する姿勢・役割意識を互いに理解することが必要と考えられる。
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