NICU看護職の転棟・退院における援助の実際とICU・小児病棟・地域の看護職との連携に対する意識、ならびにNICUからの転棟・退院児を引き継ぐ看護援助の実際とNICU看護職との連携に対する意識について検討するために、平成22年度は、NICUから小児病棟への継続看護の実際および看護職間のケアあり方を明らかにすることを目的としてインタビュー調査を実施した。 研究参加者は、NICUから小児病棟への継続看護の中で同一の患者に関わりを持った臨床経験3年以上のNICU看護師とおよび小児病棟看護師でそれぞれ3名であり、計6名から得られたインタビュー内容を質的帰納的に分析した。 その結果、継続看護の実際として、NICUでは、【在宅療養に向けた子どもや家族へのケアの確認】【家族の理解に応じた指導】【小児病棟看護師との連携の課題と期待】【在宅療養をとりまく人々との連携】の4つのコアカテゴリー、小児病棟では、【子どものニーズに合わせたケア】【子どもを受け入れるための情報収集】【母親との関係性の難しさ】【NICU看護師との連携の課題】【在宅療養再開を支える人々との連携】の5つのコアカテゴリーが導き出された。NICUから小児病棟への継続看護の実際の中で病棟看護師間での認識や尊重の仕方の違いがあり、看護介入として、NICUと小児病棟で家族中心ケアの認識を持ち、小児病棟でも移行期に受け持ちによる支援体制を継続していく重要性が示唆された。
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