研究概要 |
本研究の目的は,助産事故後,紛争・訴訟を回避できた開業助産師と女性(当時妊産婦)及び紛争に至った女性の語りから,助産契約当事者間の信頼関係形成過程を探求することである.結果,過失の有無に限らず助産事故にみまわれた女性は,もう一方の当事者である助産師への信頼感は揺らぐものの,事故発生までに培われた関係性を基盤に【有害事象により衝撃を受け混乱しつつも誠意を尽くされたと感じる】ことを契機として関係性を維持していることが示唆された. 看護への課題として, 〈助産事故を契機として当事者間の信頼関係が崩壊し紛争へと「分岐」するプロセスの認識〉〈事故当事者として誠実に対象と向き合い対話し,長期的で継続的な視野に立ったケアの提供〉が示唆された.
|