研究概要 |
本研究は,慢性疾患をもつ幼児が自分の身体状況について゛わかる゛という現象について,その構造を子どもの立場から質的に明らかにすることを目的としている。 初年度である22年度は,まず協力施設のリクルートを行った。関西圏の病院4施設に依頼し,最終的に2施設から研究の協力を得ることができた。各施設に設置されている倫理委員会の審査を受け,承認を得た。その後,研究協力者である病棟看護師,外来看護師,主治医に研究協力の依頼を行い,同意を得た。次に,主な研究協力者である子どもと家族に研究協力を依頼し,腎疾患をもつ子ども2例の協力が得られた。 データ収集は,入院治療中に7回,外来受診時に1回,在宅療養中に1回,計9回の参与観察により行った。入院中は服薬,採血,遊びの場面を中心に子どもの行為と子どもに関与する家族および医療者との相互作用について観察を行った。外来受診時は採血,診察の場面を中心に子どもの行為を観察した。在宅療養中においては,遊びの場面のみの観察になったが,家族と療養生活の会話をしている際の子どもの行為を観察できた。自然な行為が観察できるように協力者と関係を築く必要があるため,ある程度の時間を有しながらデータ収集を行った。現在,Grounded Theory Approachに基づきデータを分析している。引き続き,データ分析とデータ収集を行う予定である。 年間を通して,本研究を進めていく上で必要な文献や資料の収集を行った。また,日本質的心理学会第7回大会,第30回日本看護科学学会学術集会に参加し,本研究に関連する情報収集と情報交換を行った。
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