研究課題/領域番号 |
22592508
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
岡崎 愉加 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50224001)
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キーワード | 思春期 / 性に関する教育 / 子育て支援 / 家庭 / 母親 |
研究概要 |
思春期の性に関する子育て支援システムの構築に向けた支援モデルの構成要素の内、親が求めている支援を明らかにする目的で昨年実施したグループインタビューを追加し3グループで再分析した。結果、母親は子どもの現状、具体的な性に関する知識、親としての対応の仕方について知りたいと思っていた。ママ友達や先輩ママに相談する一方で、専門的な知識を持っている人に相談できるとよい、思春期の子育て相談があるとよいと思っていた。また、母親同士の情報交換の場があればよいと思っており、少人数での情報交換を希望し、得た情報は友達や家族に話したいと思っていた。以上の結果を基にアンケート調査を実施し、思春期の子どもの母親220名を分析した結果、母親が知りたい思春期の子どもに関する知識では「男子の心理」が最も多く62.3%、次いで「子どもを取り巻く性の現状(具体的な事例)」61.8%であった。性に関する知識では「出会い系サイトなど有害サイト」40.9%、「子宮頸がん(予防ワクチンなど)」38.2%、「エイズ以外の性感染症」33.6%の順であった。希望するサポートでは「学校で行っている性教育の内容を教えてほしい」71.4%、「子どもへの教え方」81.4%、「困ったときに相談できる電話相談」70.5%の順であった。助産師に期待するサポートは「子どもに性教育を行ってほしい」62.3%、「子ども向けの性教育の教材を作ってほしい」38.2%、「保護者にアドバイスしてほしい」35.9%であった。座談会に参加したいと思うものは32.7%であった。また、学校関係者や医療関係者の支援に対する考えを明らかにする目的で、性教育に関わっている養護教諭4名、教諭1名、助産師6名、医師1名に60分程度のインタビューを実施し分析中である。以上より具体的な支援システムの試案作成とモデル事業の実践に向けて、親が求めている支援については重要な結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的の「親の求める支援について量的に明らかにする」については、調査票の作成にあたり母親へのグループインビューの追加が必要になったため、1グループ追加し分析後、アンケート調査を実施、終了した。「学校関係者や医療関係者の支援に対する考え、家庭と学校と医療の連携に関する現在の問題を明らかにする」については、インタビューを進める過程で必要性を感じ、インタビュー対象者を5名から12名に増やしたため、すべての分析が平成23年度内に終了しなかった。しかし、難航する可能性のあった、平成24年度の研究に不可欠な「家庭と学校と医療が連携した子育て支援システムの試案をモデル事業として実践できる協力校を探す」については、平成23年度内に協力体制を組むことができたため、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年5月頃までにインタビューデータの分析を実施する。7月から12月頃までに家庭と学校と医療が連携した子育て支援システムの試案をモデル事業として実践し、評価を行う。平成25年1月から3月に研究の成果をまとめて報告書を作成する。モデル事業実施後の評価は、事業後1ヶ月を目安に実施予定であるが、協力校等の事情で1ヶ月後が困難な場合は、時期を再検討する。
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