本年度調査の目的は、最終年度にて中高年女性の健康状態と健康統御力、ソーシャルキャピタルとの関連性を明らかにすること、昨年度の課題であった健康プログラムについて、引き続き、プログラムの精度を高めることを挙げた。調査の方法は、中高年女性の健康状態と健康統御力およびソーシャルキャピタルとの関連性については量的調査とし、対象者を拡大して追加募集を行った。骨盤底筋体操を中心とした健康プログラムにおいては昨年度の課題であった健康統御力の要素として設定した自己コントロール感覚やストレス対処力へ繋がる内容に向けて再検討し修正した。結果について、量的調査より、中高年女性の健康状態と健康統御力の両者には関連性が示唆された。健康状態とソーシャルキャピタルとの関連性については地域差や居住地の人口規模による差異などを踏まえて最終分析を行っている。健康プログラムに関しては、健康統御力の構成要素としたストレス対処力や自己コントロール力の向上のためには、自由度があることや反復が可能であること、身近な地域での小集団グループが効果的であること等が最終文献検討から明らかとなり、昨年度に作成した視聴覚教材について、反復しやすい内容および構成へと修正し、電子媒体へアクセスしやすい方法へと追加修正した。ソーシャルキャピタルをふまえたプログラムについては課題が残ったため、修正し今後へと活かしたい。
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